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それでも日本人は「戦争」を選んだのか

2016/08/15

加藤陽子氏(東京大学文学部教授)の『それでも日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社刊)をときどき読み返します。
私にとっては、ほぼ全ページ、付箋を貼りたくなるほど、刺激に満ちた名著です。
帯の文章は、こうなっています。

普通のよき日本人が、世界最高の頭脳たちが、
「もう戦争しかない」と思ったのはなぜか?
高校生に語る―――日本近現代史の最前線。
この本は、神奈川県にある栄光学園で行なわれた授業をもとに生徒との質疑応答の様子なども描かれています。
ですから、裏表紙の、帯にはこう書いてあります。
生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、
自分が満州移民として送り出される立場であったなら
などと授業のなかで考えてもらいました。
講義の間だけ戦争を生きてもらいました。
そうするためには、時々の戦争の根源的な特徴、
時々の戦争が地域秩序や国家や社会に与えた影響や変化を
簡潔に明解にまとめる必要が生じます。その成果がこの本です。

内容が多様な視点を有していて、イデオロギーな予見を排除する科学的実証的な客観性にあふれています。
日清戦争、日露戦争から第一次世界大戦、満州事変、太平洋戦争と続く歴史の縦糸(日本という国が西洋近代文明の一員として参画していく)と横糸(そのときどきの、世界情勢、地政学的な変動因子)が詳細に描かれています。
戦争が、たんに政治思想の延長線上あるいはその対極にある、経済的な拡張思考に基づくものだけではなく、(もちろんそれもあることは確かですが)あるいは指導者の発動が引き金となって行われるものではないことを知りました。
日本と東アジアの近代史において、ロシア、ソビエト連邦の、南進政策が及ぼす影響がすべての戦争の蔭にあります。
中国、朝鮮半島、満州すべての地域においてロシアとソ連の影響に対抗しよう、圧力をはねのけようと食糧、武器弾薬、心理戦、政治工作、国際外交とあらゆる手段を講じ続けた小国、日本の先人達の苦難に満ちた歴史を知ることが出来ます。
第二次世界大戦を経てようやく、アメリカという巨大な庇護者を得て、東アジアの平和が保たれてきたことを思うとき、私にはこの150年間の日本の歴史の別の意味が浮かび上がってきて慄然とした気分を感じます。
無謀な戦争を引き起こした日本人の背景を知るために、この本があるのだと思います。
自国の防衛を叫ぶ続けることがやがて、他国との戦争につながっていくことを歴史は教えてくれます。
終戦記念日になると、戦争の歴史と平和の歴史、それらを分かつものは何なのか、をどう生徒たちに伝えていけばいいのか、自ら考える材料をどう揃えればいいのか、考えさせられます。

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