そのためにわれわれ通信制高校は自らの専門性を高めていく必要に迫られています。
羽を休めるための居場所であることに満足していてはいけません。
生徒たちが卒業後、社会生活からの離脱者になる可能性を持ち、それらを左右する影響因子をわれわれが包含していることを強く認識しなければなりません。
また、自ら通信制高校の定義を創造的破壊していかなければなりません。
明蓬館高等学校の場合は、広域通信制高校という定義を超越しようとしています。
向かうところは、個別に密着した「スペシャルニーズ・エデュケーション」です。
個別的な学習支援に加え、心理支援に加え、発達支援に対するニーズが高まっています。
当事者の親たちの強い要望から生まれたのが、SNEC(すねっく、スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)です。
高等学校に付属する補習・特別支援センターです。
現在、東京の品川・御殿山を皮切りに全国14カ所にあります。
全国各地にSNECを求める声と、高校生の通所施設「SNEC」を運営してみたいというお声が舞い込んでいます。
その多くは明蓬館高等学校の教育連携施設として、明蓬館高等学校の掲げた開設・運営基準を満たし、学校設置認可自治体の承認を得ています。
障害者と共に歩むことをライフワークとして取り組む、そんな方々と共に取り組んでいます。
出来ることから慎重に、かつすばやく始めていかないと、当事者とその家族の選択肢は依然少ないままです。
またその置かれた環境は厳しくなっています。
二次障害、三次障害を併発しているからです。
学業からの離脱期間は短ければ短いほどいいものです。
学業のレールに戻れるように支援し、自立と社会生活への参加へと促していかなければなりません。
われわれのやろうとしていることを限定化、卑小化してはいけません。
制度を待ち望んでも、恨みがましく思っても、その実現の行程は明らかになっていきません。
積極的自衛策、打開策を取っていこうではありませんか。
お子さまの成長は待ったなしです。
社会は立ち上がった人によって必ず変えられます。
歴史が教えるところです。
SNEC(すねっく)を求める生徒と保護者がいるところに開所していくことは社会からの命令かもしれません。